新潟大学・歯学部・歯の形態学・歯の形態と機能実習



科目概要



哺乳動物にとって、歯とそれを支持する顎骨は生命を維持する上で必要不可欠である。我々はヒトを対象に治療行為を行う以上、歯の形態とその機能的意義(広義)を正しく理解し、機能を回復することに全力を尽くすべきである。

ユニット科目「歯の形態」では、臨床において機能回復を行うための基礎として、歯の形態的な進化や、 ヒトの歯の基本的な形態 (根管の形態を含む)を学び、 さらにはその機能的意義を理解することを目的とする (「歯の解剖学」)。

実習においては、ワックスを用いて特定の歯の形態を忠実に再現して、歯の形態を3次元的にイメージできるようにするとともに、歯列の歯冠に欠損を持つ特定の歯に対して、ワックスによる修復をすることで、咬合や隣接関係、豊隆など機能に関わる歯の形態に対す理解を深める。歯のエックス線所見や形態異常に関しても概要を行う(「歯の形態と機能」)。

科目のねらい



歯科の臨床を円滑に行うために、顎骨や歯の形態的な進化過程を理解し、 ヒトの乳歯および永 久歯の形態的な特徴を立体的に理解する。さらに、歯の形態の機能的意義を理解する

使用テキスト


- 平成30年度歯の解剖学の手引き :新潟大学大学院医歯学総合研究科硬組織形態学分野編
- 小児歯科学分野オリジナルプリント


科目概要

実習にあたっての心構え


本実習は諸君が歯学部に入学して以降初めて手を動かしてものを製作する実習である。自分が歯科医師になるという実感を持たれることと思うが、重い社会的責任への第1歩であることも事実である。以下の点に充分留意して、諸君が実りある実習を行うことを期待する。


  • 刃物、鋭利な器具による怪我ややけどには充分留意すること。もし、事故が起こった場合には速やかに教員に報告すること。
  • 以下に掲げる実習の目的を常に念頭に置いておくこと
  • プロフェッショナルになるための訓練であることを強く認識すること。
  • 自ら考える事を重要視するので、方法論に関する詳細な説明はしない。したがって、本実習の目的を十分理解し、それぞれのステップで何をすべきかを判断する事が必要である。


目的


歯科の臨床を円滑に行うために、永久歯の形態的な特徴を立体的に理解する



到達目標


  • 機能に関係する歯の形態を理解し、説明できる。
  • 特定の歯の3次元的な形態をイメージできる。
  • ワックスの基本的な扱い方を身につける。
  • イメージ通りの歯冠形態をワックスにより再現できる。


実習道具と材料

実習に使用する道具、材料と使用方法


技工布

すべての作業を技工布の上で行い、ワックス屑などの後始末を各自できちんと行うこと。


2倍大歯牙模型

実習の参考模型である。この模型の形、寸法、特徴などをよく観察して、ワックスにて類似するものを再現する。ただし、彫刻のサイズを問わず、バランスがとれていることを重視する。一般的に報告されている形態と違いがあっても、臨床歯冠形態に個人差があることから、今回はこの模型の形態を優先する。


技工用ノギスおよび定規

2倍大歯牙模型の寸法を測定するためのものである。


図1a.ノギスによる測定の例-凸状面の場合

図1b.ノギスによる測定の例-凹面の場合


ワックス棒

このワックス棒を用いて、彫ったり、ワックスを盛ったりして、2倍大歯牙模型に類似したものを製作する。




彫るための器具


切り出しナイフ

最初は切り出しナイフを用いて、大きくワックスをカットし、大雑把な歯形を作る。その際、切り出しナイフを自分の指、手や身体に向けず、切り出しナイフの動きを十分にコントロールできる姿勢(フィンガーレスト等)で慎重に行うこと(図2a, b)。

フィンガーレストとは作業中に右手(左利きの場合は左手)ないしは左手の指をワックス棒にしっかりと固定することを言います(図 2)。

なお、利き手は切り出しナイフを固定し、利き手でない親指で切り出しナイフを押すように操作すると良い。


図2a.切り出しナイフを用いてワックス棒のカットを行った例

図2b.切り出しナイフを用いてワックス棒のカットを行った例



彫刻刀(エバンス)

切り出しナイフによるカットに引き継ぎ、彫刻刀(図3)にて細部を再現し、最終的な形態を仕上げる。


図3.彫刻刀(エバンス)



彫刻刀の持ち方は筆記道具と同様で、作業中に右手(左利きの場合は左手)の薬指でワックス棒にしっかりと固定する(フィンガーレスト)。彫刻刀を用いてワックス棒を彫る(図4a,b)。


図4a.軸面を彫る例

図4b.咬合面を彫る例



ワックスカーバー(ホ−レンバック)

ホ−レンバック(図5)を細かいところ(溝、歯頚線など)の仕上げに使う


図5.ワックスカーバー(ホ−レンバック)



注意:上述の3つの器具は削るためのものであり、ワックスを溶かして盛るための道具ではない。(誤って焼いてしまうと削れなくなる可能性が高い)



ワックスを盛るための器具


ワックス形成器(キャポン)

キャポンのワックス形成器(図6)を用いて、少量のワックスを盛り、溶かしたワックスの形をある程度整える。


図6.ワックス形成器(キャポン)



ワックススパチュラ

ワックススパチュラ(図7, 8)はワックスを多めに盛るときに用いる。「歯形彫刻実習」ではワックススパチュラ(#2)(図8)を使用し、「歯の形態と機能実習」では盛る量に合わせて使い分ける。


図7.ワックススパチュラ(#31)



図8.ワックススパチュラ(#2)



アルコールランプおよびアルコールランプ用アルコール

アルコールランプにアルコールを入れ、芯に火をつけ、ワックスを溶かして盛る。



ワックスの盛り方


キャポンのワックス形成器またはワックススパチュラをアルコールランプの火に当てて、熱くなったら盛りたいワックスに当てて、溶かしたワックスを器具の先に乗せて、ワックス棒に盛る。


ワックスが固まったら、エバンスなどで盛った跡は残らないように形を整えます。


注意:

火または溶かしたワックスによる指、手、髪の毛、服などの火傷に十分気をつけること。ワックスを盛る必要がないときは、アルコールランプを消すこと。


仕上げ、研磨のための器具


  • 豚毛ブラシ
  • ガーゼ
  • ストッキング

作業中に削ったワックス屑を豚毛ブラシにて撤去し、歯形が再現されたら、ガーゼ、ストッキング等で仕上げ研磨を行う。


歯形彫刻の実際

彫刻の要点


  • 彫刻する歯(歯冠と4〜5mm程度の歯根)の特徴をとらえる。
  • 「全体の概形 → 細部の仕上げ」この流れをくずさないことが重要である。
  • バランスが取れた歯を製作する。
  • 一度作製したものに必要以上に固執しないこと。
  • 仕上げ研磨を十分に行う。

以上の点を満たした製作品であれば、製作方法など問わない。以下に記載されている内容は参考までに述べる。


製作方法の例


削る順番について


  1. はじめに彫刻する歯の各面を三つの方向から観察を行い、歯の立体的なイメージを確認する。歯の寸法、高さと幅のバランスなどを把握するために、技工用ノギスおよび定規を用いて模型の歯冠を測定する。
  2. ワックス棒の削る必要はない部分に、頬側面(buccal)、舌側面(lingual)、近心面(mesial)、遠心面(distal)を決定し、それぞれにB, L, M, Dという記号をつける。この4つの面は軸面と呼ばれる。
  3. 測定した寸法に合わせてワックス棒に彫刻刀等尖がっている器具で線を引いてから、切り出しナイフでその線に沿っていらない部分を削り出す。歯冠の下に4-5mm程度の歯根を想定した線を引く。
  4. 切り出しナイフでのカットにて特に軸面を製作する上で大量のワックスを削る必要があるところを落とし、歯冠および歯根部のおよその形を製作していく。
  5. 切り出しナイフでのカット終了後、各面の大きさを確認する。そのために、仮に歯頚線を入れ、各軸面から見た歯冠長と歯冠の幅を確認し、彫刻中に必要に応じて歯頚線の位置を直す。臼歯の場合、彫刻の全体のサイズを決めたら、咬合面のサイズを決める。その際、咬合面から見た近遠心的な幅と頬舌側的な幅のバランスを確認する。
  6. 各軸面の最大豊隆部の位置および咬頭頂と咬合面等の裂溝の位置を決める。
  7. その後の彫刻を主にエバンスにて行うが細かいところに限ってホ−レンバックを用いても構わない。
  8. 製作順は原則として、軸面をある程度再現してから咬合面の製作に入る。
  9. 咬合面の製作順は以下の通りである。咬合面等の裂溝の位置を決めたら、咬頭頂および中心咬合面隆線の位置を決め、各咬頭を製作する。
  10. 歯形ができたら、エバンスまたはホ−レンバックにて各面を滑らかにしてから、研磨を行なう。その際、咬頭頂、隅角などを必要以上に丸めないように注意すること。

彫刻中および最終的に確認するチェックポイントの一覧(評価対象)


寸法について

  • 歯冠長の比(頬側>舌側>近心>遠心)
  • 歯冠長と咬合面の大きさのバランス
  • 歯が小さくなっても、全体のバランスを重視する

形態について

  • 各軸面、咬合面の外形
  • 各軸面の最大豊隆部の位置
  • 咬頭の位置および大きさ
  • 辺縁隆線および咬頭隆線の存在
  • 裂溝の深さ
  • 主溝の位置および走行
  • 歯頚線の位置および走行



歯形彫刻の例

上顎左側中切歯


  • 切り出しナイフによりおよそのカット

  • 図9.唇側面および近心面の最初のカット

    図10.唇側面および近心面のカット(歯冠および歯根部)

    図11.舌側面および近心面のカット(歯冠および歯根)

    図12.切り出しナイフによりカットの終了(切縁からの所見)


  • その後の彫刻を主にエバンスにて行うが細かいところに限って(例:舌側面)ホ−レンバックを用いても構わない。
  • 「製作法の例」に述べた項目のうち切歯にも当てはまるものおよび以下の点に関して注意すること。

    1. 唇側面の各隆線および唇側面溝の深さ、舌側面の辺縁隆線と歯頚隆線の形態、あるいは切縁結節等の形態を把握するために、2倍大歯牙模型および製作中のワックス棒をあらゆる方向から観察すること。(切縁方向からも必ず観察すること。)その際、切歯の概形は切縁方向および口蓋側方向に向かうくさび形であることを意識すること。
    2. 隣接面同士の形態および遠心隅角と近心隅角の形態の違いを十分意識すること。
    3. 歯根の凹凸も再現すること

  • エバンスでの彫刻例

  • 図9.唇側面および近心面の最初のカット

    図10.唇側面および近心面のカット(歯冠および歯根部)





上顎左側第1小臼歯


  • 切り出しナイフによりおよそのカット

  • 図15.隅角のカット(咬合面の視点から)

    図16.隅角のカット(頬側・近心の視点から)

    図17.咬合面と頬舌側面の上部のカット

    図18.咬合面と頬舌側面の上部のカット(近心の視点から)

    図19. 頬側面から見た隣接面のカット


  • エバンス等での彫刻は「製作法の例」に述べた通りである。
  • 第1小臼歯の特徴および第2小臼歯との違いを十分意識して彫刻すること。
  • 完成例(最低限の条件を満たした例)

  • 図20.頬側咬頭がマークされている

    図21頬側咬頭および近心面の最大豊隆部がマークされている

    図22頬側面の最大豊隆部がマークされている。





上顎左側第1大臼歯

  • 切り出しナイフによるおよそのカット

  • 図23.隅角のカット

    図24.頬側面の上部のカット

    図25.頬側面から見た隣接面のカット

    図26.舌側面から見た隣接面のカット

    図27. 近心面および咬合面の主溝のカット

    図28.およそのカット終了


  • 完成例(最低限の条件を満たした例)

  • 図29.頬側面および遠心面の最大豊隆部がマークされている。




咬合器装着


歯列模型は歯列の形態を正確に再現するものである。この歯列模型の上下顎相互の位置関係や、頭蓋に対する歯列の位置、下顎運動の軌跡等を再現するものが咬合器である。したがって、歯列模型は正確に咬合器に装着されるべきである。

1)咬合器装着のために用意する道具と材料
  • 歯冠欠損のある上下顎模型
  • 技工用カーバイド・バー
  • スペイシー咬合器
  • <フレキシブル・ボール(ラバー・ボール)/li>
  • 石膏スパチュラ
  • 普通石膏
  • ワセリン
  • 輪ゴム
2)咬合器装着の手順
  • まず、咬合器のネジをすべて締めておく。そのとき、切歯指導ピンの上部の3つの横線が咬合器の上弓より出ていることを確認する。(図3)
  • 咬合器の上弓と下弓の黒いマウンティング・プレートにワセリンを薄く塗っておくが、金属の模型固定板には塗らないこと。模型固定板をマウンティング・プレートにつけておく。
  • フレキシブル・ボールと石膏スパチュラを用いて、石膏と水を練和する。
  • マウンティング・プレートを上弓につけたままで上弓上部のくぼみに石膏を盛る。・ (図4)はみ出した分をスパチュラで取り除いて、石膏が固まるまでの間に次の操作を行う。
  • 上下顎模型の基底面には、石膏による固着を確実にするため、技工用カーバイド・バーを用いて半球状や網目状のアンダーカットを付与する。(図5)
  • 本実習では簡便化のために嵌合させた上下模型を輪ゴムで固定する。輪ゴムが滑らないように各模型に4箇所くぼみをバーで作っておく。(図6)
  • 上下顎の模型にアンダーカットを付与した後、ラバー・ボールに水をはって基底面がぬれるように模型を浸けておく。
  • 上下模型の咬合面に正確な咬合を妨げるような気泡等が存在している場合、あらかじめエバンスではじいておく。
  • 上下模型の嵌合を確認し、歯列の左右に鉛筆などで印をつけておく。(図7)正確に嵌合した上下模型をゴムで固定する。
  • ラバー・ボールと石膏スパチュラを用いて、石膏を練和し、下顎模型の基底面と咬合器の下弓に石膏を盛って模型を咬合器に装着する。そのとき、石膏が基底面のアンダーカットおよび模型固定板の角の下に十分届くようにスパチュラ、ぬらした指などで入れていく。模型の位置を決める際、咬合面が上弓および下弓と平行であることと左右中切歯の中点が正中にくることを確認する。(図8)その際、咬合器の切歯ピンが中切歯の中点の位置を示す。模型の位置が決まったら、石膏が固まるまで咬合器を動かさないこと。
  • 下顎模型の装着用石膏が硬化した後、上顎も同様に装着する。(図9)咬合器の上弓におもりを置き、石膏が固まるまで放置する。最後に輪ゴムを切っておく
  • 装着の際、はみ出た石膏は確実に除去しておく。特に、歯列と上弓の脇に流れた石膏は完全に除去すること。
  • 石膏が硬化するまでは、移動したり手を触れたりしないこと。
  • 硬化後、切歯指導ピンが切歯指導板から浮いてしまうことがあります。その場合、咬合器のネジ等をいじらず、ライターに報告すること。
  • 装着終了後、上弓の石膏に名前と在籍番号をマジック等で書いておく。
  • 硬化後、咬合器の上弓の脇に石膏が付いている場合、それをエバンス等で完全に除去した後、上顎の模型を引っ張って取り外し、エバンス等でバリを除去する。黒いマウンティング・プレートからも石膏のバリを完全に除去しておく。この作業は不十分な場合、切歯指導ピンが切歯指導板から浮いてしまうため、正しい咬合様式の再現は得られないので要注意。なお、今回は下顎の模型を外さない。

* 注意点
バリの除去後に切歯指導ピンが切歯指導板から浮いてしまった場合、咬合器のネジ等を絶対にいじらず、ライターに報告すること。

    図1. スペイシー咬合器

    図2. 石膏スパチュラ

    図3. 切歯指導ピンの上部の3つの横線が咬合器の上弓より出ていることを確認する。

    図4.上弓上部のくぼみに石膏を盛る。(図に示す咬合器は本実習のものとは違う。

    図 5a. 半球状のアンダーカット 図5b. 網目状のアンダーカット

    図6. くぼみの例(ゴムが滑らず上下模型の咬合が安定すれば、くぼみの位置は問わない。

    図7. 上下模型の嵌合を確認し、歯列の左右に鉛筆などで印をつけておく。

    図8. 上下模型と咬合器の位置関係(図に示す咬合器は本実習のものとは違う。

    図9. 上顎模型の装着(図に示す咬合器は本実習のものとは違う。



歯冠の再現(ワックスアップ)


ワックスアップを始める前に、咬合紙で咬合様式を確認しておく。今回用いる模型は前歯を中心に最初から咬まない歯があるが、咬合している残存歯の咬合様式をワックスアップ中に崩さないように注意しなければならない。(ワックスアップ完成時に当初の咬合様式と同様なものが求められる)。

1)ワックスの基本的な塊
  • 本実習ではワックスによる歯冠形態の回復を盛り上げ法にて行う。キャポンの形成器を用い、溶かしたワックスを少しずつ歯冠欠損部へ盛っていく。(盛り方について歯形彫刻実習書を参考にすること。)
  • ワックスの盛り上げに先立って、基底面と隣接面の模型各面に十分に溶かしたワックスを焼き付ける。

軸面部を厚くし、ワックスが完全に硬化した後、歯冠の豊隆をエバンス等を用いて彫刻し、歯頚部の形態をある程度整える。(図1)今回はワックスパターン(ワックスアップにより再現する歯冠)の固定のために隣接面を隣在歯に焼き付けたため、それらの面の再現は器具が届く範囲に限られている。

(図1~3は模型の種類とワックスアップの部位は今回の実習のものと違うが、ワックスアップの方法は同様である。)


2)対合歯の咬合面の印記
  • 咬合面のワックスを1-2 mm程度の深さまで軟化し、対合歯に薄くワセリン塗って後、咬合器を閉じて対合歯の咬合面を印記する。(図2) 咬合器の切歯指導ピンが切歯指導板に接するまで作業を繰り返す。

3)咬合面の彫刻
  • 軸面をある程度再現した後、咬合面のだいたいの形態をとり、咬頭頂と咬合面等の裂溝の位置を決め、咬合面を作っていく。(図3)
  • ワックスアップ中の歯を含めてすべての歯が咬頭嵌合位で正しく咬合していることは咬合紙を用いて確認する。そのとき、狭くなるように半分に切った咬合紙を一本ずつの歯に当てた状態で咬合器を閉じ、上弓を押さえながら、咬合紙を引っ張ってみる。咬合紙が安易に取り抜かれた場合、その歯は咬合しないので、当初咬合に参加していた歯であれば、ワックスパターンの修正(高いところの削減)が必要である。
  • 咬頭嵌合位での咬合は正しく設立された後、咬合器の後方部にある顆頭球固定ネジをゆるめ、ワックスパターンが原因で側方運動時に干渉は生じていないか確認し、必要に応じて修正を行う。

* 注意事項

  • 彫刻だけで最終的な形態を作り出すことは困難である。必要に応じてワックスの添加を行ってもかまわない。
  • ワックスアップ中に歯冠の形態、対合歯との接触点等を決める際、反対側同名歯の形態、歯列の中での調和、全体の咬合様式などを考慮にすること。

図1. 盛り上げたワックスの塊

図2.咬合面のワックスを1-2 mm程度の深さまで軟化し、対合歯に薄くワセリン塗って後、咬合器を閉じて対合歯の咬合面を印記する

図3.歯冠の再現(完成)







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